ロイヤル・ピン|第四十章 王女の命令【限定公開】「私たちには話さなければならないことがあるわ、レディ・ピランティタ」 パッタミカ王女は、桃蓮宮に足を踏み入れた途端、絶対零度のような冷たい声でそんなことを突然口にした。 ピランティタは、心が地に落ちるような気分になった……。 パッタミカ王女が彼女の名前を……
ロイヤル・ピン|第三十九章 金銀之簪【限定公開】「ランナーの盛装に身を包んだアニンは……」 アニン王女の肩にかかる髪を耳の後ろにかき分けながら、ピンは柔らかな声で囁いた。 「美しすぎて、息をするのを忘れてしまったわ……」
ロイヤル・ピン|第三十八章 立てば芍薬座れば牡丹【限定公開】金銀の刺繍が施された紺色のパトゥンに、肌の色を際立たせる臙脂色のパテープ。その上には装飾品を身に纏い、整えられた髪には石斛の花が飾られ、頬も活き活きとしている。その完璧な風貌に、束ねられた髪の房から時折、一糸が垂れ落ちて、彼女の美しさに拍車をかける。そんなウアンファーの姿を見て…
ロイヤル・ピン|第三十七章 チャオファー邸【限定公開】 実は、ウアンファーがその名に受け継ぐ『ダラワン』という家系は、すべての成員が北方出身の人間で構成されているわけではない。ウアンファーの父方の祖父はサイアムの出身で、紆余曲折を経て、当時チェンマイを統治していたブリーラット氏の一人娘と結婚した。そして……
ロイヤル・ピン|第三十六章 手紙と届け物【限定公開】 アニンラパット王女がタイに帰国してから二ヶ月が経ち、タイのさる由緒正しき大学院では、建築学部インターナショナルデザイン科の入学者募集が始まった。アニン王女に付いた凄腕の後見人は、一週間もかからず手続きを颯爽と終わらせてしまった。 勉学に誰よりも精を出すアニン王女は……
ロイヤル・ピン|第三十五章 私が愛するもの【限定公開】「今日はどんな風の吹き回しだい、グア君」 桃蓮宮の客座敷で、背筋を伸ばしながら正座をしている年頃の貴公子を見たパッタミカ王女は、少し驚いた様子で口を開いた。 「最近は私がいないところによく顔を出していると聞いているわよ」パッタミカ王女が笑いながら話を続ける。
ロイヤル・ピン|第三十四章 ミニチュアホース【限定公開】「デーンおばさん」 ピンは台盤所で、尋常ではない速さで料理に向き合っているプリディピロム宮殿の炊事長に話しかけていた。今回、宮殿を訪れた主たちの中には、欧風の朝食を好む方もいれば、タイ風の朝食を好む方もいる。また、そのような中に紛れて……
ロイヤル・ピン|第三十三章 波の泡【限定公開】プリディピロム宮殿の最上階の部屋の窓からは、西にある小宮殿が見え、その周囲にはこの地域特有の熱帯植物で彩られた美しい庭園が広がっていた。 アニン王女の見下ろす窓の外には、一組の男性と女性がはっきりと映り込んできた……。 貴公子グアキティとレディ・ピランティタの姿が……
『ギャップ・ピンクセオリー』がほんまる書店神保町で買えるようになりました!!タイGLが盛り上がるきっかけでもある『ギャップ・ピンクセオリー』(チャオプラノイ/lily house./6AM)が、ついに書店でも販売開始となりました!!神保町にあるほんまる様の地下一階でぜひ直接お手に取ってください♪