第七章 お願い
サムさんと一緒に、あの大衆食堂のティでイエンタフォー*を食べている。なんでこんなことに……?
確かに昼休み中、ご飯を食べに行く約束をしたけど。忘れたふりをして、家に帰る準備をしていた。すると、サムさんは私が何を考えているのかわかったみたいで、こんなメッセージを送ってきた。
「車で会おう」
それから今日は、何百万バーツもする高級車に乗った。そう、この前バスの中でノップとかっこいいねって話をした、サムさんのあの車に。お店に着くまでの間、サムさんに話しかけてみたけど、あまり上手くいかなかった。本当に分かりづらい人だ。
「サムさん」
美しいその人は、目の前のイエンタフォーから目を離し、綺麗な茶色の瞳で私を見つめた。