第十章 フェア
なんで自分が、こんな恥ずかしそうに顔を逸らしているのか分からない。私のことを見て、悪友三人組は一層笑みを深くした。でも、サムさん本人は何も分かっていないままみたい。
「お寿司はまだ来ないの? 海底までウニを探しに行ったのかしら」
「気が短すぎるよ、モイ。色々頼んだから、ちょっと待ってなさい」ケードさんが落ち着かせようとすると、サムさんは首を横に振って私のことを見た。
「お腹空いた?」
「大丈夫です」
その話をしてからすぐに、店員さんは料理を運んできた。テーブルには、色とりどりで美味しそうな食べ物がいっぱい並んでいる。お姉さんたちは、携帯を取り出して写真を撮り、すぐにSNSへ投稿し始めた。サムさん一人を除いて。
「サムさんは写真を撮らないんですか?」