第二十四章 決めたこと
動かずにただ、黙ってサムさんを見ていた。身体の奥ではまだ痛みが疼いて、震えてしまう。
遂に、この日が来た……サムさんが私に対してどう思っているのか、本当の気持ちを見せてくれた。他の人にとっての「好き」は、そのままの意味。死ぬほど恋焦がれるような感じなのかもしれない。でも、サムさんの場合は紐解かないといけない方程式と同じ。だから……。
好き=嫌い
あんたが好きよ。ちゃんと聞いてた?あたしはあんたのことが好き!
つまり、本当の意味は……
あんたが嫌いよ。ちゃんと聞いてた?あたしはあんたのことが嫌い!
耐え難い痛みに、涙が溢れた。サムさんに気づかれないように手で顔を隠した方がいいのか、もしくは手の甲で流れてくる涙を拭うべきなのか……何がいいのか順番さえも分からない。それからまた気がついた。私が守らなきゃいけないプライドなんて、もう無いんだってことに。
「うぅ……私、よく……よく分かりました……!」
「モン!」