第二十九章 自慢
私はお酒が飲める。でも、好んで飲むのは正直言ってパーティーのときだけ。コンビニに行って、こんな風に買ったことは一回もない。
メコンウイスキー。
今は、誰でも気軽にお酒を買う時代だと思う。私と同年代の人達は特にそうかもしれない。でも、今日の私と同じ理由で買っている人は、どのくらいいるんだろうか。
まぁ、そんなのどうでもいい……どうあっても私が買う理由は変わらないんだから。あの人を一人で頑張らせない、それが大事。
でも、ジムさんはこの話を私だけにした訳ではなかったみたい。なぜかって、今日のサムさんはアルコール飲料をいっぱい買ってきたから。私達は顔を見合わせて、それぞれが抱えているビニール袋を見た瞬間、その意味をすぐに理解した。
「ジムから聞いたんだよね?」
「サムさんもですかね」
暑くなってきたから、汗を拭こうってビニール袋を持ったまま手の甲を上げた。サムさんは先にキッチンの方へ行って、買ってきたビニール袋達を下ろしている。でも、終えると何か考え込むようにその場で立ち尽くしたままでいた。
「今日は上手くいくと思う?」