第四十二章 戦争
プライベートな話だから、サムさんと私は車の中で話していた。全てを聞き終えてから、サムさんはずっと黙っている。
何も言ってくれない、段々怖くなってきた……
「サムさん」
「ショックだった?」
甘い顔のその人は私を見て、ため息をついた。たぶん、私になんて言ったらいいのかをずっと考えていたはず。きっと、どんな言葉で話し始めればいいのか答えを見つけられなかったんだね。私は小さく頷いた。それから、なんともないよって笑ってみせた。
「ちょっとだけショックでした。でも、気にしていないです」
「それなら、なんで家に帰って寝ようとしたの?」
「あの……」
これを言わせてしまったのは、私の行動が矛盾しているせいだ。たまに理由もなく、こういう子どもっぽい行動をとってしまう自分、嫌い。
「私達のことをよく考えたいから、戻ってきたんです」