特別編
第二章 気弱な心……小さな心
第二話
「ピンさんとゴイさんは今、プラムマンゴーの彫刻をしているのですか」蓮宮の露壇に着くと、アニンは開口一番、純粋無垢な声でそう尋ねて来た。「私とウアンさんが食べれる物は無いですか」
私は声を発した本人に目を向けた後、自然な流れで隣に立っている女性へと視線を移した。近くで見れば見るほど、ウアンファーちゃんは私の想像していた以上の美女なのだと分かった。シュッとした小顔で、薄茶色の目は輝いていて、健康的な唇に、ポツンと佇む鼻筋の高い鼻。
「カノムチョームアン*があります、王女」ゴイはアニン王女の言葉に慌ただしく回答する。
「私めが急いで持って参ります」
「そんなに急がなくても良いですからね、ゴイ」私は自分でも気づくほど冷たい声で話していた。「そんなに急ぐと転んで怪我しちゃうわよ」
「はい、レディ・ピン」
ゴイは台盤所へ急いで向かう前に返事をする余裕はあったみたいだった。
「ピンさん、アニンにウアンさんを紹介させて下さい」